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2008年8月28日 (木)

080828日経新聞1面「為替協調体制について」

またまたおもしろい意見が来ました。

「三鷹の××です。いつもご苦労様です。

ここもとは戻れば売りという井上さんのコメントに従って戻った場面で先物を売り12700円前後で買い戻すというスタンスで200円から300円の幅を何度も取ることが出来ています。 さて質問です。今日の日経一面記事についてはどうお考えでしょうか?

当然誰かが何らかの意図を持ってリークした記事には間違いないんでしょうが、何で今日の日経??といろいろ勘繰ってしまいます。わたしは、近々再び三極が協調して為替に介入しないといけない場面が到来することを示唆してる、たとえば米国住宅公社に対して日債銀や長銀方式での国有化が実施されるとか、GMの破綻といったような事象が発生することを示唆してるのではないか?と「素直」に裏読みするのですが、井上さんはどうお考えでしょうか?ブログの端くれでも結構ですのでよかったらご意見聞かせていただければ幸甚です。」

 意図的なリークとは全然思いもつかなかったので“素直な裏読み”(これから使わせて頂きます)という言葉に笑ってしまった。まず、協調体制についてであるが、ずっとお読み下さっている方は何度も触れたのでご存知だと思うが、3月中旬以降の相場で転機となった事由のうち大きかったのが、異例の「ドル防衛宣言」という観測気球を打ち上げてから6/25のFOMCで利上げができずに米国市場が大引けの1時間で株式が売られて、債券が買われたときまでの期間であったと考えている。

 6/6に私はこう書いた。

「これを受けて為替市場でドル/円は一時2月末の水準である106.44円まで円が売られる場面もあった。注目すべきはトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言。並べると「物価安定へのリスクが一段と強まり、ECBは警戒を更に高めている」「タイミング良く断固たる行動をとる準備がある」「来月に利上げする可能性を排除しない。この日の利上げを望むメンバーが複数いた」。これまで読んで下さった方には耳タコであろうが、私はほとんどの債券ストラテジストがECBの利下げを予想するなか、「次の一手」が利上げであることを述べてきた。先月のECB理事会の翌日も“どこにもハトは居なかった”と述べたが、その日が確実に近づいていることを感じる。(もっとも、二日前のバーナンキ議長の講演が“スペイン”で行われ、ドル高維持を強く言ってくれたこともありトリシェも金利の引き上げに言及しやすかったのではとも考えているが。。。)」

その後、米国要人の度重なるドル高(ドル防衛宣言)が行われたが、6/10に続いてこう書いた。

「ポールソン米財務長官がCNBCとのインタビューで「他国の政府と為替について協議するのは有益「為替介入の選択肢を決して排除しない。いかなる政策の選択肢をもである」「トリシェ総裁のドルに対する発言は留意している」「バーナンキFRB議長とは常に連絡をとっている」と述べているが、これは非常にインプリケーションを含んだ発言と受け取れる。先週の“バーナンキFRB議長による、異例の「ドル防衛宣言」(in Spain)”を支持し、他国と連携をとって介入を実施してでもドル高政策をとるというものである。

この時点で連携の強さについては充分に認識していたことがお分かり頂けると思うが、ここで述べたいのはタイミングと誤算である。まず、タイミングであるが、6/6(金)失業率と原油高でダウは今年最大の下げ幅、▲394.64ドルを記録している。また、翌週から証券会社の決算が始まることもあって株式市場が下落するリスクにピリピリしている時であった。このタイミングで欧州だけが利上げをすれば金利差からドル安を招き、原油価格がさらに上昇する危険性があり、ドル高支持、そして協調利上げによって金利差を拡大させない狙いであったことは確かである。しかし、ここで米国の経済指標(特に製造業に関する指標)で次々と景気悪化を示唆するものが現れて、結局6/25のFOMCで利上げは見送られたのである。この日のことは鮮明に覚えている。翌日書いた文章。

「昨日のハイライトはFOMCの声明文。~中略~結果はやはり「引き上げ無し」であったが、“ドル防衛”の観測気球を上げた後の“欧米同時期利上げシナリオ”が先週来の経済指標によって変更を余儀なくさせられ、また、インフレ懸念を抱きながらも強くインフレファイト(利上げ)を滲ませると株価がクラッシュしてしまう懸念があることから、FED自身がかなり市場を刺激しないように配慮したものであったという印象を受ける。~中略~しかし、昨日の声明、及びその後の1時間足らずの相場が二つの大きなインプリケーションを与えた。重要なことを述べる。一つは「債券」に“安全な時間”が与えられたということ(この“安全な時間”とは買って安心な時間という意味であるが、勝手に私が作った言葉なので、あまりよそでは使わないほうがいいです)である。先週末と昨日、金利先物がどのレベルまで利上げを織り込んでいるかを述べたが、現在、50%程度まで再上昇していた次回(8月)の利上げ織り込み数値はこれから徐々に下落していくものと考える。また、二つ目は先週来、債券に買いが入る局面が度々あることを述べたが、昨夜、株式と債券の逆相関が高まっていることをはっきりと認識したことである。債券には声明後株式市場と反対に買い戻しの嵐が吹き荒れた。現在、4月以降その傾向はあったが、円キャリートレード(円での借り入れ、他通貨での運用)の流れが加速しており、それがドル/円のドルの下支えにもなっている。これによって、「商品」「株式」間のキャッチボールに完全に「債券」が加わる、しかも一つ目の理由によってかなり中心的な受け手となる可能性さえあるということである。」

三鷹さんが「素直な裏読み」で“何か不安なことがあるのではないか”と思われるのは、このように、前回、協調体制の観測気球が打ち上げられたのが不安定な時期であったからだと思う。

私は、今回の記事は特に裏読みはしなくてはいいのではないかと思っている。実際に30年入札でドルの信認が再度高まっていることは証明できているからである。しかし、この記事によって“グスタフ”に乗じて「ドル売り、原油買い」のポジションを作ろうとした者は少しビビッたであろう。それ(原油価格再上昇)に対する牽制かもしれない。しかし、7月であったか日経新聞が欧米の金融姿勢に不協和音が出ているのではないかという記事が出た際に、私はここでかなり強く噛み付いた文章を書いた覚えがある。同じ日経新聞なだけに不思議な感じがする。

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