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2008年8月18日 (月)

080818米国市場_日本株コメント

 先週末の当欄で米国景気について触れたが、一つ誤解しないで頂きたいのは、これから米国景気が急回復をするということを述べているのではないということである。先週末に発表されたニューヨーク連銀景況指数も事前予想に反しプラスのサプライズ、また鉱工業生産・設備稼働率も予想を上回る良い数字であったが、あくまでも現段階で述べたいのは、1-3月期、4-6月期の企業収益がそれほど悪くなかったということと、7月以降のマクロ指標に明るさが出てきたということ、また、実物である住宅に「価格」と「需要」という関係が戻りつつあるということであり、結論として世論の「底割れ懸念」を鵜呑みにしてはいけない時間帯に入ってきたということである。

全体を見回して、雇用と金融機関に対する不安、また、その金融機関が結果的にもたらす信用収縮(マネーフローの縮小)が消費に与える影響を考えれば急激な景気の回復は有り得ないこと。これはこの先の毎月発表される自動車販売がおそらく証明する。毎月のように触れてきたが、米国ビッグ3の動向やピックアップトラックの売り上げなど見るまでもなく、この代替エネルギー熱のなか、日本車の売れ行きにおいて安いホンダのフィット、シビックが順調で、高いトヨタのプリウスが厳しいという今の状況に変化が見られない限り米国の景気回復を体感することはないであろう。

カラ売り規制が解除されてまだ数日。今後の動向について判断を入れる段階ではない(入れるのは危険である)ことを述べたが、今回のカラ売り規制についてS3マッティングという会社が出したレポートが米国で話題になっている。これは19銘柄の規制期間の動向をレポートしたもので、「株価には大きな影響を与えず、規制に効果はなかった」と結論づけている。同社のレポートによると19銘柄のカラ売りは同期間に約63%減少したが、GSE2社はこの間20%以上株価が下落しており、S&P500の上昇率5%を勘案すれば効果がなかったことが分かるとしている。また、バンカメの株価は40%も上昇しているが、逆にカラ売りは規制前よりも増加しており、カラ売り規制による影響ではないとしている。

この19銘柄だけにフォーカスしたレポートについて、私は非常に違和感を覚える。今回のカラ売り規制(借り株を手当てする前のカラ売りの禁止)というものが、実際にどのような心理的な影響をロング・ショート系のファンドマネージャーや投機筋マネー、ドンパチを繰り返した金融機関のディーラーに与えたかは実際にカラ売りを行っているファンド関係者にしか分からないことであろうと思う。実際に一番大きく反応したのが、本来は関係が薄いはずの商品市況である。これは投機筋への規制を恐れたポジションの手仕舞いが(商品)ファンド基準価格の下落を招き、それを見たファンド購入者の解約が相次いでおり、止まらない状況となっている。この動きは完全にトレンドを形成したと見るが、全ては心理的な影響が招いたことである。

 規制期間中にS&Pの業種別動向で金融株が30%もの上昇を示し、解除後の2日間で8%も下落したのは、このような心理的な影響の部分が大きく、効果はきちんと示現したと私は考える。また、この心理的な影響がどこからきたかであるが、7/24のストラテジー“ちょっと悲しい先進国”で、私が述べた[日本市場は“カラ売り先進国”で米国市場は“発展途上国”である。]という部分と繋がっている。

それは(ここではあまり字数を割いての説明は避けるが)、例えば、売る際の借り株の確認の仕方、また、リコール時(ファンドはプライムブローカーである証券会社から株を借りて売っているが、そのプライムブローカーがもともと借り入れている大元の貸し先が「返してください」とプライムブローカーに申し入れ、プライムブローカーもファンドに対して「返してください」という行為)の対応の差など市場カルチャーギャップである。

このリコールについていえば、日本市場においては成り行きでストップ高まで買いに行ってでも(それまで売られていた銘柄が急に朝1番からの妙な買い板で、それにディーラーがのって連日ストップ高をするのもこのリコールによる場合がある)返す一方で、米国では「返せないけどペナルティーで幾ら払えばいいの?」というやりとりが恒常的に行われているのである。日本市場に比べて、米国市場はこのような株式の決済機能についてかなりズボラである。(欧州市場はもっとズボラ)ズボラゆえに信用残高も(発表日を確定せずに)月2回しか発表できないのである。(それもついこの前まで月1回。。。)

先週も書いたが「もう1回、商品と株で仕掛ける?」と周りを見渡しても、なかなか皆が乗りづらい状況である。9月を迎えるにあたり、それまでの3月、6月と同じように金融ドンパチを行っているのにも関わらず反応が薄いことも、売りを煽りたい向きに今までとの違いを感じさせている。やはり、現段階での金融株動向については判断がつかないものの、少なくとも、3月、6月よりは底割れ懸念は確実に小さいといえる。

日本株。相変わらずの動きであるが、裁定は8/7~8/13の期間で1億1692万株減少し再び20億株を割っている。金額も弊社試算で丁度3兆円から2兆7800億円割れと2200億円程度減少した。この間の日経平均の下落幅は▲231円であるが、確実に先週火曜日からは先物の売り場面で解消売りも出されていた。それでも以前書いたように8月~10月は季節的には裁定買い残が大きく減少することはなく、買い残が逓増する季節。この裁定解消動向についても継続性にかけるのはリスキー。

先物動向は他社もそれなりに傾きを示したりはするものの、相変わらず2社の影響が大きい。先週金曜日(15日)の225先物の出来高が10万枚を3日ぶりに割ったのもNEの出来高が少なかったゆえ。

現物に対する外国人の売買意欲の減退に変化なし。ドルベースで指数を見る彼らにとってこの円安傾向は様子見の材料にもなっている。本日も先物主導で荒っぽい展開となっているが、先々週初に書いた先週末までのレンジ(12800円~13500円)を現在もなかなか抜ける動意は見られない。日中の動きは激しいが、オプションのボラティリティーは落ちた。9月限12500円プットの前場引け100円が妙に安く見えてしまう。保険の意味で買うのも一計か?

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