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2008年8月 8日 (金)

080808グリンスパン発言から1週間

 前日引け後に決算が発表されたAIGが既に時間外で下げていたこともあり(結果的に前日比▲18%の下落)、寄り付きから米国株は軟調な動きであった。昨日発表された経済指標は1勝2敗。まず8時半に発表された先週の新規失業保険申請件数は事前予想の42.5万件を大きく上回る45.5万件で、トレンドを表す4週移動平均も40万件台に乗ったことから雇用の厳しさが改めて認識された。また、民間の調査会社トムソンの7月の既存店売上高(主要小売大手)は+1.1%増(4ヶ月ぶりの低水準)と市場予想(+1.2%増)を下回った。(ICSC7月チェーンストア売上高は前年同月比+2.6%増)。この数字を戻し減税効果が薄れた結果とネガティブにとってウォルマートなど小売株が下落、ダウは9時半過ぎには前日比▲160ドル近く下落していた。雇用と金融というファームな不安に加えて消費も不冴え状況では致し方ないというところ。

 しかし、この動きに一旦歯止めをかけたのが、昨日の発表で皆がもっとも恐れていた6月の中古住宅販売(仮契約販売指数)。予想の▲1.0%が+5.3%はかなりのサプライズであった。これは昨夏の第一次サブプライムショック後にことの大きさを認識せずに市場が戻っていた昨年10月以来の数字。ゴールドマンはさっそく「中古市場が落ち着きを取り戻しつつある可能性を示している」とのレポート。。。

 もっともこの日の主役はECB理事会後のトリシェ発言。最初の段の展開であればドルが売られてしかるべきところが、そうはならなかったのは強く景気の減速リスクを同氏が述べたため。もともと利上げなどしたくなかった同氏が利上げを前回行ったのは“世界3大アレルギーであるドイツのインフレ”に配慮したもの。そのドイツの景気がここのところ明らかに鈍化していることと原油価格が落ち着いていることから、インフレリスクに少し触れた後は言いたい放題の印象。「減速リスクは具体的となっている」「年半ばのGDP成長率は低下する」「4-6月期、7-9月期は特に弱い」直近年末に向けてユーロのドルに対する弱気な見方が市場で支配的になりつつあるが、全く意に介していないのは無論原油価格への効果があるため。これでドイツがおとなしくしていてくれれば同氏にとってコンフォタブルである。

 結果、債券に与えられた“安全な時間”は更に長くなった印象を受ける。6/26に述べたこの「債券」が資金キャッチボールに加わり、「遂には主役に躍り出た」という考えは当面変更する必要はない。先日述べたドイツ国債の動きを見て頂きたい。もたもたしている印象を受けがちな米国債もきちんと戻り歩調である。先週はGSE2社支援の話もあって国債の増発懸念が広がったが、昨日行われた30年国債の入札で応札倍率は2.40倍と、前回の1.82倍を凌ぐものとなった。よく考えて欲しい。前回は2月。つまり狂乱的に債券が買われていった1-3月期に行われた入札よりも結果が良いのである。度々紹介した中央銀行や機関投資家の応札態度である「顧客の応札」は42.9%と、前回の10.7%を上回っている。ドル安懸念を各国中央銀行が抱きながらもこの数字。このままでいけば、散々言われたドルの底割れ懸念も年内はもう言われないのではないかと思われる。7/29のシカゴ通貨先物の投機筋残高でユーロも円もドルに対して売り超となっている。ユーロは6/17以来、円は6/24以来のこと。ただし、誤解しないで欲しいのはドルがこのまま強くなるということを言っているのではない。直近の強さが続くということではなく、「ドル暴落懸念」が消えるということである。

 大きく下落している商品市況であるが、原油が値ごろ感から再度上昇するとか、また貴金属についても再度上昇に転じる(スイスUBS)という強気なレポートが出されているが、全く琴線に触れない。ここで債券を買わないで商品をロングするグローバルマクロのファンドマネージャーはいないであろう。同じく7/29のCOMEX(ニューヨーク商品取引所)の金先物投機筋の建玉、18万2319枚。ピークから2万枚減少したが、まだ同枚数くらいは減少する余地があると見る。

 

となると、同ストラテジーのファンドやCTAにとって、上がろうと下がろうとあまり関係なく、傾けたポジションを採りたくないというのが「株」に対する見方。そのため、日米ともに方向感が薄れたジェットコースターのような展開が続いている。ボラティリティーも大きい。先週のグリンスパン発言以降、特にその動きは強まっている。FOMCも変更なしであったが、結局この1週間、何も変わっていないのである。指数の動きが、ただ金融株が買い戻された日に上昇し、売られた日に下落しただけのこと。これを日本株においては「金融株」を「決算の悪かった主力株」に置き換えて見ればよい。煽っているのが、米国では「金融株をカラ売りしてきた金融機関」、日本では「裁定取引」と「先物ショートであった証券会社」の違いである。容易にボックスを出ない動きが続く。

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