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2008年8月 4日 (月)

080804日本株ストラテジー2

 相場が「ファンダメンタルズ」と「需給」の綱引きであることは常に変わらないことである。7/15(現地)のバーナンキ、ポールソン、コックスの3者揃った議会証言においてコックスがカラ売規制について言及し、その数時間後に19銘柄の規制を発表したことによって7/16、7/17の2日間でダウは484ドルも終値ベースで上昇したものの、日本株が場中に上昇することはなかった。これは、米国株については金融株を中心とした信用売り、カラ売りが溜まっていた一方で、日本株にはカラ売りが溜まっていなかったことの表れである。現物の買戻しが無い以上、相場が上昇するためには先物の買戻しか現物の新規買いが必要である。私は日本株について、この現物の買いは季節要因が終わった裁定取引がもたらすであろうことと、先物の売りポジションの状況についても数度説明した。そして、日本株も裁定買いと先物の買い戻しによって上昇した。ここまではストラテジーとして誤りは無かったと思っている。

 指摘したように裁定買い残の底は7/11であった。この時の裁定買い残株数は15億610万株。これが公表されている7/30現在で17億8836万株まで増加している。また、これを金額ベースでみると2兆1581億円であったものが、弊社試算で2兆6000億円を超える水準にまで拡大している。特筆すべきは、7/11以降、指数の上昇・下落に関わらず連日裁定買い残が増加しているということである。(①)

 そして、先物売りの買戻しであるが、7/22~7/25の週に外国人が3000億円を超える買い超となっている。(②)この週の上昇によって主体別動向における個人の売買は現金(現物)が1390億円弱の売り越し、また信用も640億円弱の売り越しとなり、一部整理が行われることとなった。(しかし、整理が行われた信用はあくまでも13500円~14000円ゾーンで作ったやれやれの売りであり、14000円オーバーで作った4000億円以上と思われる信用買いについては手付かずと思われる。)

ここまでは、輸出企業の落ち込みと設備投資の減速という「ファンダメンタルズ」(売り)に対して「需給」の「需」(買い)が戦っていたといえる。ここまでは「080716SECコメント」で述べた“あくまでも一旦の買い戻しであってその持続性には疑問がある。”の前半部分であった。しかし、問題なのは、この①、②のピッチの速さである。ここにきて、4-6月期の決算発表がピークを迎えたのであるが、市場ではこの2年間、ディーラー、個人が中心となってこのイベントで売買を活発化させてボラティリティーの高い相場形成となる傾向があるが、今回はいつもにも増してその傾向が強い。低調な売買代金にこの金額が含まれていることを考えれば実質的な売買代金は更に小さいことが分かる。その状態に、ピッチが早かったことから①の解消が週末の木曜日、金曜日に出される場面が散見された。現在は、「ファンダメンタルズ」(売り)、そして「需給」の「給」(売り)と双方が指数を下に持って行こうとしているのである。

そして、ここでひとつ気掛かりなことがある。それは、半年前も1年前も紙上を賑わせたのに今回は誰も口にしていない「45日ルール」である。(これは、ヘッジファンドで国内向けに決算期日を設定した分の解約ノーティス(告知)が45日前というファンドが多いということからそう名付けられたようであるが、)昨年11月発売の日経マネー紙においてこの8月の小反落について予想を述べたが、実際に昨年、一昨年と8月初旬から中旬にかけてヘッジファンドの解約に伴うと考えられる大きな手仕舞いが起きている。(もっとも、これは現物の売りだけではなく、売っていた銘柄の買い戻しも行われるのであるが、それまでのバリュー、グロース、ボラティリティーなどのファクター・リターンの推移が大きく逆行する傾向がある。)そして、この動きがやはり先週末から一部出始めていることを感じている。

今回のストラテジーの変更については、まずは謝らなくてはならない。先週金曜日、米国シカゴの日経平均先物が13335円で引けたが、前日に急速に主力株及びそれまでやや値もちの良かった銘柄の売られ方を見てかなりヒアリングを行った結果、このような変更となった。かつてないほどの、朝礼暮改で本当に申し訳ない。

ここから底バイの期間入りとなるが、朝方述べたコアレンジの下については、ここを切ると以前お話した、日経平均を0.9で割るやり方で14000円から上の信用買いが非常に厳しい状況となることからオーバーシュートの売りも覚悟しなくてはならない。先物の打診買いは慎重にしなくてはならず、ここはまだその水準ではないと思われる。

先週、ドイツ国債が急伸している。このことについては3月にイタリア国債とのスプレッドでお話したことがあったが、欧州も完全に債券に“安全な時間”を与えており、ファンドの動きとしては、この先世界的にやはり債券に資金が回りやすい地合いが続くと思われる。

現物株のストラテジーとしてここで何を買うべきかとのコメントを頂くが、以前、弊社のシステムがピックした銘柄を紹介する際に、コードで6300番以降を掲載しなかった。これは、3月以降述べてきた(機械、)電機、自動車の決算に対する懸念もあったのだが、今回の決算は製品への価格転嫁のし易さが大きく影響している。鉄鋼などは電機・自動車に対する価格転嫁がスムーズにいったものであり、両業種はこれを受けたものの川下への転嫁が行えなかった影響が強い。ロングの銘柄選択においては、やはり商品市況がこれから軟化する傾向にあるということと、この製品への価格転嫁が行えているかどうかが鍵となろう。そして、信用の買い超、売り超もここにきて大きくファクター・リターンとして説明力を高めている。商品相場の下落が寄与する業種、そして既に価格転嫁を行った業種のうち信用売り超の銘柄がロングの候補となる。業種で述べると食品、紙パ、電力、小売にそれらの銘柄を見つけることができる。また、医薬品、情報通信、卸売の一角にも該当する銘柄があるかなりディフェンシブな布陣だ。また、大きく値を崩した主力株であるが、機械などに決算内容に比して売られすぎの感が強い銘柄もある。これは信用買い残の影響であろう(コマツに代表される機械銘柄や、業種は違うが、その他製品の任天堂にしてもそうである)。また、自動車についても大手は別にして、決算堅調・信用売り超の銘柄も存在するが、電機については電子部品の落ち込みについて依然見方を変更していない。

このように日本株の需給については、暫く「需」の動意に欠ける展開となる可能性が高いが、米国については例え再度「(利下げの)催促相場」が起きようとも、サプライズな材料としてはネガティブ要因よりはポジティブ要因の方が起きる可能性が高いと思われる。それは、特に需給面からである。無論、想像の域を超えないが、CFTCの商品市場規制の発表、SECのカラ売り規制の継続(強化)、そして、日本のバブル崩壊期がそうであったように、金融機関の統合である。これらのサプライズ材料が出された際には、やはり、7/16以降と同じ相場が示現するのであろう。まだ、NYSEの買戻しは続いている。

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